ギブアンドテイクな関係の落とし穴

ギブアンドテイクな関係の落とし穴

人に服従という概念はない。彼らにとって、企業で働くというのは、自分の能力が認められ、その能力によって企業に貢献することを意味する。彼らの意識の中では、企業と自分は、対等なギブアンドテイクの関係にあるのだ。

 

彼らが、従順に従うのは、彼ら自身がとびきり高いステイタスを有すると認める相手に対してだけである。高いステイタスの条件は、地位、能力に申し分なく、感性やライフスタイルの点で高貴さをもっていることだ。人は、こうした権力者に深い尊敬の念を抱き、自分のユニークな才能を認めてもらい、世話を焼かれたいと思っている。彼らにとっては「選び抜かれた人々から選ばれる」というのが無上の喜びなのだ。自分が、その質を認めた人間に愛されたいと願っているのだ。その一方で人は″小さな権力者″を無視する傾向がある。小さな権力者とは、能力的に自分より劣るが、地位として、自分より高い上司である。こうした志向をもつ人を管理するのは至難の業だ。上司を小さな権力者とみなせば、それを避ける。彼らは、通常のルールは自分に該当しないと考える傾向があるので、「みんなやっていることだから、君だけわがままを認めるわけにはいかない」という叱責はぴんとこない。

 

上司が尊敬できれば、その人のために自分の能力を存分に使い、認められようとする。上司ヘの態度はケースバイケースなのだ。逆に上司が敬愛に値するか否かは別にして、認められない場合も当然ありうる。そうすると人は、仕事から腰を退き、別の世界に活路を求める。しかし、もし仕事上の問題がある場合には、人は、認められていない、評価されていないという感覚をもっている証拠であり、上司としては、まず人の魅力的な部分を評価してあげることからスタートするのが望ましい。


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